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ダウンタウン・アスレチック・クラブ
14.04.2011 (Thu)

久しぶりに「錯乱のニューヨーク」を読む。初めて読んだ頃には、ニューヨークの歴史や建物の解説が書かれている本というくらいの印象しかもたず、特別な興奮は覚えなかった。

改めに読んでみると、歴史的な事実をきちんと把握した上で、一段落にひとつづつコールハース自身の解釈が力強く端的な表現で書かれていることに気が付く。何かをリサーチするということは、単に情報を集めて整理しカタログを作ることでは無い。集めた情報をベースにした上で、自分が主張しなければ誰も自分に替わって言ってくれる人がいないような自分自身の意見を述べることである。

その大切な態度を改めて思い知る。

*  *  *

クラブは社会の営みが摩天楼の全フロアを完全に支配するという目的を実現する。

摩天楼は構成主義的なソーシャル・コンデンサーとして利用される。つまり、人間間の望ましい交流形態の生産の強化のための機械となっている。

このクラブのような摩天楼は、人間がまもなく二種類の種族にわかれることを予告している。ひとつはメトロポリス種族であり・・・それに対し第二の種族はたんに残りの伝統的な人間種族である。

ダウンタウン・アスレチック・クラブは、メトロポリスの独身者の機械であり、彼らの窮極の「ピーク」コンディションを、生産的な結婚生活よりもさらに高い段階に引き上げるのである。

「第II部 ユートピアの二重生活―摩天楼」より 

DOWNTOWN ATHLETIC CLUB, NYC, 1931
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Top▲ | by takeshimurakuni | 2011-04-20 08:51

ロッテルダムの設計事務所OMAで建築・都市について考える。「人生の夏休み」、「35歳のインターン」の続編です
by takeshimurakuni

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