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夏のフルーツ達
03.07.2011 (Sun)

今日もいい天気。オランダはとても爽やかな七月。OMAの同僚三人とランチ。あまりにも気持ちが良い天気なので昼間からビールを飲み散歩。

先日少しだけ手伝っただけだが、デザイナー清水久和さんのエキシビションのオープニングパーティに参加させてもらった。同じ場所だけど、準備期間中とオープニングではガラッと雰囲気がかわる。オランダのアート、デザイン関係者、及びヨーロッパ各地から集まった清水さんゆかりの方々にいろいろなお話を伺うことができ新鮮な気分を味わうことができた。

今回の新しく発表された清水さんの作品はフルーツの形をしたランプや置き時計である。抽象的なモチーフばかりで普段物事を考えている建築的な思考にとって、フルーツという甘く具象的なモチーフはとても新鮮。

夜薄暗くなった後、ぼんやりと光るランプを見る。その時ふと日本の夏祭を感じた。それは、例えば青森のねぶたや秋田の竿燈のようなもの。そこまで大げさではなくても、お祭りの露店に並ぶ水風船や綿飴の袋、壁一面にかかったお面達の色鮮やかでボンヤリと静かに光るあの心踊る雰囲気だ。具象には具象の魅力がある。

風も心地よい爽やかなロッテルダムの夏の日に日本の夏の風が吹いた。そういえば清水さんも生まれは夏だと言っていた。

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Top▲ | # by takeshimurakuni | 2011-08-09 23:47
ジーランド・ドライブ
02.07.2011 (Sat)

いよいよオランダを離れる日が近づいているということで友人達が忙しい時間をやりくりしてドライブの日程を組んでくれた。ロッテルダム南に広がるジーランドと呼ばる一体には海と陸の境界線上に巨大な水門が建設されている。そんなメガインフラストラクチャを通過し、真っ平な大地に点在する古く小さなオランダの村々を行く。そのうちのいくつかに立ち寄り散歩をしたり食事をしたりし、最後にはこのエリアでもっとも美しと言うビーチへたどり着く。ゆっくりとした夕食を終えビーチに戻ると、オランダ色の大きな夕日が海を照らす。夕日はゆっくりとそしてあっという間に海へ沈む。オランダ生活もあと少し。

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Top▲ | # by takeshimurakuni | 2011-08-09 22:46
文化とは自ら働きかけること
01.07.2011 (Fri) vol.2

今夜は長らく改修工事中だったNAiのリニューアルオープニング。その記念イベントとして中国とオランダの都市に関するシンポジウムが開催された。OMA香港のパートナー、デイヴィッド・ジャーノッテン(David Gianotten)のレクチャをはじめ建築都市関連のレクチャとディスカッションが行われた。

デイヴィッドは 西九龍文化地区マスタープランコンペ案のプレゼンテーションを行った。長いコンペの審査プロセスの結果、最終的にはフォスター案が採用案となったが、そんな状況の中、OMAが何を考えコンペに取り組み、彼が香港オフィスをどのように運営してきたかという立ち位置が鮮明に語られたのが印象的だった。

*  *  *

このコンペは香港オフィスを本格的に始動するきっかけともなったものだった。コンペの最大の目的は、経済原理や市民への迎合だけに留まらない本当のカルチャーを香港に浸透させることだったという。そのためにOMAが選んだ戦略はコンペを勝ちに行くこと以上に、香港市民に多様な意味でショックを与えるということだった。

コンペの初期に、多くの有識者、市民へのリサーチを行った。その結果、単にコンペに勝つことが目的ならば大きな緑の公園を作ることで都市のシンボルを与え、必要なプログラムは経済的なビルティングタイプを踏襲して公園に邪魔しない様配置すれば良いことは明らかだったという。しかしそれは本来の意味での「文化地区」を生むことができるのか?とクリティカルに問い掛ける。そしてOMAは「文化とは自ら働きかけることであり、単なる消費ではない」という答えを出す。

コンペの審査プロセスで何百回ものプレゼンテーションが開催され多くの市民から賛否両論、多様な意見が生まれた。そしてその中からは、これまで気がつかなかった現状への疑問を持つ者、そしてOMAが香港で起こそうとしている「消費では無い文化」の重要性に賛同する者も現れた。さらにはそれが元となり新しい仕事への芽生えになったケースさえも生まれた。

このコンペは、香港の西九龍地区に文化地区を作るという課題だった。しかしOMAは西九龍地区だけにとどまらず、香港全体規模で文化というものを考えるきっかけを生んだ。そのことが何よりも価値があるとデイヴィッドは結んだ。

*  *  * 

現状、特に都市に対する分析。そしてそれに対する自らの立ち位置の明示。その立ち位置をデザインを通じてビジュアライズすること。OMAの典型的とも言えるプロジェクトの組み立てが鮮明に浮かび上がる。マスタープランのような複雑なテーマでも端的な言葉を持って語られる点はやはり魅力的だ。

「文化とは自ら働きかけることであり、単なる消費ではない」

OMAはそう言う。香港に置いてそれが本当なのかどうかは誰にも判らない。誰かがそう保証してくれる訳ではない。だけどそれを信じこれから生まれる未来に保証人を求める続ける。そんな態度そのものが文化をつくるということなのだ。


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Top▲ | # by takeshimurakuni | 2011-07-07 10:10
人の繋がり
01.07.2011 (Fri)

今日からは仕事に行かなくていい。しばらくゆっくりとした時間を過ごそう・・・

と思っていた矢先、驚くべきタイミングでdezain.netの岡田さんからメッセージを頂く。なんと今日からしばらくロッテルダムに滞在予定だという。近所のギャラリーで作業中だということなので急遽お邪魔する。7月3日からデザイナー清水久和さんのエキシビションが始まる。その展示準備の真っ最中だった。

ちょうど今日から時間が出来たので時間の許す限り設営の準備に参加させてもらった。アイントホーフェン・デザイン・アカデミーへ留学中の方も一緒に手伝ってくれた。突然生まれた四人の日本人チームでエキシビションの準備をする。不思議な展開、不思議な人の繋がり。日曜日のオープニングが楽しみだ。

Hisakazu Shimizu, Water Melon Clock
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Top▲ | # by takeshimurakuni | 2011-07-07 02:18
最後の出勤日
30.06.2011 (Thu)

いろいろ最後の出勤日。ロッテルダム市役所プロジェクトの模型やパネルをとあるプレゼンテーションに使いたいというクライアントからの要請があったため、チームメンバーと模型の搬出入を手伝う。オフィスを出たり入ったりの慌ただしい最終日となった。オフィスに戻るとすでに大半の人はランチを済ませていたため、チームメンバーと二人で広いキッチンにてぽつりと最後のランチを済ませる。

机を片付け、パソコンの中身もキレイにしていよいよみんなとお別れの時。今まで何度もの別れを繰り返してきたけどやっぱりこの瞬間は心落ち着かない。一年間という短い期間だったけれどとても貴重な体験ができ学ぶことも沢山あった。またどこかでOMAのメンバー達と出会いたい。

夜は友人がパーティを開いてくれた。手作りのインドネシア料理を作ってくれ木曜日にも関わらず深夜まで付き合ってくれた。ありがとう。

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Top▲ | # by takeshimurakuni | 2011-07-07 01:54

ロッテルダムの設計事務所OMAで建築・都市について考える。「人生の夏休み」、「35歳のインターン」の続編です
by takeshimurakuni

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